序文

博物館を見ることはとても楽しいことです。

博物館を楽しく見るのにはちょっとコツが必要で、見る側に努力が必要なのです。
探究心と想像力。
なぜ?とか どうやって?と思いながら見ると 答えを得た時の感動があります。
そうするとなぜ?を見つけた時も楽しくなってしまいます。

でも、一般的にはどこの博物館は来館者の減少に悩んでいるようです。
来訪者の減少と予算の削減、活動の低下と悪循環に陥っている博物館、
古道具屋のようになってしまった博物館もたくさんあります。
そのようなちょっとした見る側の努力すら できなくなっている傾向があるのかもしれません。

一方で 小さな博物館でも個性的な博物館がたくさんあります。
小さな博物館がとってもおもしろいのです。

我々が接することができるのは「展示品」というモノだけなんですが、その裏の学芸員やデザイナーたちの「伝えたい心」を感じ取ることができます。
個性的ですばらしい博物館と人も来ない博物館と分けるものは学芸員の熱意だと思います。
特定の分野を十分研究をして「ここを伝えたい!」と訴えかけてくるような博物館にすばらしい博物館が多いようです。

そのような「伝えたい心」に対して自分が「学びたい心」を持つとなんかそこに真剣勝負のような感覚が生まれてくることに気が付きました。
博物館を回ってみると、ふだん疑問に思っていることの答えが見つかり、また新たな疑問が生まれてきます。

そんな博物館の魅力にはまってしまい、博物館は全て自分の目で見ようと心に決めてできるだけ多くの博物館を訪問しています。
またそんな博物館の魅力を感じてくれる人を一人でも多く増やしたくて、こんなホームページを作ってみました。

現在日本には約1万の博物館があります。
(博物館と呼んでいいのかどうかわからない館もあるので数自体は微妙なのですが・・・展示施設が1万あるという方が適切かもしれません。)

それぞれの館が個性的で、ここにしかない展示物を出し、その裏にある話や技術を詳細に解説してくれる博物館がほとんどです。
そんなすばらしい財産を活用しない手はありません。

私は今後、博物館がもっともっと楽しまれる時代が来ると確信しています。
インターネットなどで情報が容易に得られるようになると、人はますます実際の感覚を得たいと欲するようになると思います。

博物館にこだわっていますので、リストは一般に言う「博物館」を主体とし、
美術館、動物園、植物園、水族館、テーマパークは除外しました。

博物館を見るための基礎知識と題した小論文はむしろ自分のために書きました。
このようにテーマを決めて深く掘り下げると博物館の見方がずっと面白くなります。
自分がどこまでわかっていて、どこがわからないかの境界線がはっきりします。
とにかく「書いて」「投げてみよう」。一部、一面なのでそれを訂正、補おうという人が現れ、全体としてレベルが上がるということも期待しています。
だから誤りがあればぜひ御指摘下さい。
わからないことがわかったとき、正しいことがわかった時にちょっとした発見の喜びがあります。

それとあくまで客の立場からの視点を大切にしました。酷評している博物館の関係者の方 ごめんなさい。
でもそれが率直な印象です。私と同じ感想を持つ人はたくさんいるはずです。


indexに戻る